日本理化学工業様の川崎工場を見学させていただきました

2023年10月、障がい者雇用を積極的に取り組んでいらっしゃる「日本理化学工業様」の川崎工場を見学させていただきました。
「日本理化学工業様」は、主に学校で使うチョークを製造している企業で、国内シェア70%以上のトップメーカーです。
今年8月に放送された24時間テレビ内のドラマ「虹色のチョーク 知的障がい者と歩んだ町工場のキセキ」のモデルとなった企業としても有名です。

初めて障がい者を雇用したのが昭和35年で、60年以上もの歳月が経った現在では、知的障がいのある社員が従業員の約7割を占めるそうです。
また、健常者・障がい者に関わらず、人は働くことで「自分は人の役に立っている」と生きる幸せを実感することができる「働く幸せ」があり、 誰もが必要とされて役に立って働ける社会を「皆働社会」としてその実現を目指し、この考え方を広める活動もされていらっしゃいます。

見学させていただくきっかけとなったのは、弊社の代表である上市が「日本理化学工業様」大山会長の「日本でいちばん温かい会社」という書籍を拝読し、社員にも工場見学を通して何か学びを得て欲しいとの思いから、今回ご縁をいただき実現することができました。

工場見学のようすをご紹介

最初に会社や商品についてお話しいただいた後、「日本理化学工業様」の大山社長に直接ご説明いただきながら、チョークの製造ラインを見学させていただきました。白チョークは北海道にある美唄工場で製造しており、川崎工場では色チョークを製造しているため頻繁に色を変える必要があるそうで、見させていただいたときは橙色の蛍光チョークを製造しているタイミングでした。



工場に入ってまず驚いたのは、仕事に取り組む皆さんの真剣な表情でした。チョークの製造ラインに入っているほとんどが障がいのある社員だそうですが、障がいがある社員に常に誰かが付いて教えるという体制を取っているのではなく、1人1人が責任を持って各持ち場の仕事をこなし、工場の生産を支える貴重な戦力となっているそうです。稼働し続ける製造ラインの業務を長時間集中し続けることがどれだけで難しいことか…。想像しただけも大変なことなんだろうと尊敬します。

障がい者雇用を始めた当初は教え方もわからず、どのように伝えたらよいのだろうと思い悩み、試行錯誤されたそうですが、相手がわかるように伝えていくことの難しさを実感しながらも、「日本理化学工業様」では「教えることや伝えることを諦めない」ということを常々追求していらっしゃるそうです。
工場にはたくさんの工夫が取り入れられているそうですが、その工夫の1つとして、文字の読み書きが苦手な人はいるけど、無事に通勤ができているということは信号の色は理解しているんだというヒラメキをヒントに、色バケツを用意してチョークの色を調合するやり方を思いついたそうです。

「何かが苦手だから仕事ができない」というレッテルを貼るのではなく、得意・不得意があるのは人間誰しも皆同じで、文字が読めなかったり時計が読めなかったり、仕事をする上で何か不都合を感じる人がいてくれることで、それを超えていける何かしらの工夫や改善を取り入れようとなり、それが結果的に障がいがある社員だけでなくみんなにとってわかりやすい現場を作っていくことにつながっているそうです。
こういったことは1企業の中だけではなく社会全体でも同じこと言え、誰もが生きやすい社会やお互いを受け入れる環境を作ろうとすることで社会がよりよいものとなっていき、障がいがある社員たちがそういったことの大切さを教えてくれる存在になっているそうです。

そして、大山社長は社員たちにとって安心していられる「居場所」につながるような声かけを意識されているそうですが、実際に工場をご案内いただいた中で、大山社長が社員1人1人の素晴らしさをご紹介くださる場面が多々ありました。
●「作業に無駄がなくスムーズで、一見簡単そうに見えるかもしれないが全然簡単ではないんですよ。彼がそこにいてくれるから現場が回っているんです。」
「彼女は大ベテランのスペシャリストで、この持ち場にすごくプライドを持って仕事をしてくれています。」
「彼はほとんどの持ち場に対応することができ、誰かが休んだときにパッとそこをカバーしてくれる役割を果たしてくれるので、どんな状況になっても同じように現場を回して行けるんです。リーダーの仕事も担ってくれるので、全てを任せ切っています。」
「彼はしゃべるのは得意ではないが、すごく気がつく人です。何かが足りないときには黙ってパっと直してくれたり、背中で引っ張っていくタイプなんです。」

このように、社員たちを褒めたたえ、各々が担当している業務がいかに職人技で凄いことなのかを熱心にお話しいただいた姿がとても印象的でした。

また、今年はコロナでしばらくできなくなっていた社員旅行を久しぶりに実施したり、レクリエーションや会食などを行ったりするそうです。周りの仲間がどういう人なのか職場の中だけではわからないことを知ることで、これからのお互いの声のかけ方も変わってきたりすると思うので、仲間がどういう人か「お互いを知る」機会を意識して作って大切にされたいとお話しされていました。

人の体にも環境にもやさしい「日本理化学工業様」の商品をご紹介

「ダストレスチョーク」
昭和12年の創業時から手がけていらっしゃるチョークの定番商品です。
常に改良を続け、主原料は歯磨き粉などにも使われている体にやさしい炭酸カルシウム性。
2005年以降は、同成分であるホタテ貝殻を再生活用して配合することにより、従来品に比べて書き味の向上などの品質アップを図ると共に、北海道の環境問題でもあった年間18 万トン排出されるホタテ貝殻の廃棄量を少なくする環境にやさしい取り組みにも貢献されています。
▶『チョーク関係商品』の詳細はこちら

「キットパス」
窓ガラスやホワイトボードなどつるつるした平らな面に使え、濡れた布などで簡単に拭き取ることができるお絵かき道具です。
お米のワックスからできているので、何でも口に入れてしまう小さなお子様にも安心して使えます。
ボディペイントができるキットパスや、お風呂専用のキットパスなど、幅広いラインアップがあります。
このあとご紹介しますが、弊社の会議室でも愛用しています!
▶『キットパス』の詳細はこちら

▶『キットパス』でできること


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「キットパス」を使った弊社の環境への取り組みをご紹介
~不要になった感染防止のアクリルボードをホワイトボードに~

コロナ禍に社内で使用するために購入した飛沫感染防止用のアクリルボード。
5類感染症に移行されてからはオフィスの座席や会議室のアクリルボードは撤去しておりますが、使わなくなったアクリルボードを廃棄処分するのではなく、会議室用のホワイトボードとして再利用しました。
ホワイトボード用の筆記用具は、上記でご紹介させていただいた「日本理化学工業様」のキットパスを使用しています。
なめらかな書き心地で、お米のワックスからできているため人体や環境にもやさしく、おすすめです!



見学させていただいた社員の感想

●わたくしが印象に残ったのは大山社長のお言葉です。
「障がい者雇用をやってくださいとは簡単に言うことはできません。でも、1つだけ言えるのは彼らと一緒に過ごしていると空気が変わるということです。彼らは捉われが少なく、照れや繕いがないため、「ありがとう」と言う場面では素直に「ありがとう」と言い、「ごめんなさい」と言わなければならない場面では「ごめんなさい」と言える。彼らと一緒にいると自分が感化され、シンプルにそれでいいんだなと素直になれる。自分を隠す必要がなくなるんです。」
今、弊社が大切にしようとしている「安全な環境」づくりの基本がここにあると感じました。日本理化学工業さんは、日本が誇る素晴らしい会社です。

●率直に見学会に参加して、すごくよかったなと感じています。商品の製作過程や働かれている姿をみたり、大山社長のお話を直接聞いて、人として大切なことを再確認できた1日となりました。


今回参加させていただいた社員にとって、それぞれ何かを感じたり考えたりする良いきっかけをいただいたようです。
そのような貴重な機会をいただいた大山社長をはじめ、川崎工場の皆さまに心から感謝いたします。どうもありがとうございました!