9/11 配信
1.コラム|社員研修のこれから「オンライン研修」か、「集合研修」か。
1.コラム|オンライン研修か、集合研修か。
コロナによって激変した世界で、研修はどう変化していくのか、お客様情報などをもとにしながら、社員研修の今後について予測をしてみました。
オンライン研修の実情
前回のコラムでも触れていますが、オンライン研修のお問い合わせが非常に増え、需要が一気に拡大しています。今後、研修の手法として当たり前になりそうなオンラインの研修ですが、実情はどうなっているのでしょうか。
① 技術の進歩で大抵のことはオンラインでも実施可能に
zoomのウェビナー機能のひとつで、「ブレイクアウトルーム」をご存知でしょうか。
今まで研修オンライン化のハードルとなっていた「分科会」「グループセッション」ですが、すでにシステム的には実施可能になっています。
チャット、Q&A、ブレイクアウトルームなどの機能を組み合わせて、事実上集合研修とほぼ同等の環境を整えることができるようになっています。これはあくまで想像ですが、オンライン化での最大のネックである『同時に複数の人が会話しにくい」、という点においても技術の進歩によってじきに解決されるのだと思われます。
物理的にはすでにリアルと同じ環境が実現できるのです。
② オンライン配信の実情
機能的にはリアルと変わらない環境を作ることができ、使い方が容易で、しかもリーズナブルな現在のオンラインシステムですが、細かい部分ではまだまだ不具合が多いというのが正直なところです。
例えば配信ソフトは完璧でも、通信環境や受信するPCなどによって不具合が発生するといった点で思わぬボトルネックが発生してしまったり、意外とすんなりはいかないのが実情です。
例えば、受講環境を一定にするため、会社でレンタルPCを用意したが、必要なソフトのインストールがされておらず、慌てて回収してインストールした、などのトラブルも実際に起こっていますし、テレワークの増加によりマンションや地域などの通信回線が混雑していて、安定していないといったこともあるようです。
③ 配信する側の知識レベルの問題
オンライン研修を実施する際にシステム的な部分のほかによく問題になるのが、配信する側の知識が不足しているという点があります。
研修の講師や講演をされる先生などは意外とアナログな方が多く、操作方法が分からないということが良くあるようです。そのため、PCの操作担当者が別に必要になってきたり、専門知識を持ったオペレーターがリモートで操作すると言ったことが必要になります。
加えて、演者が複数個所にまたがる場合、事前に接続チェックやリハーサルは必須であり、リアルで開催するよりも実は手間がかかることもあるのです。
④ 専門オペレーター不足問題
急激な需要の増加で、配信システムを操作できるオペレーターが不足しています。
大手のオペレーター会社は年内はすべて予約で埋まっているという話も聞きました。
前号のコラムでも書きましたが、オペレーターと機材をセットにして販売している貸し会議室やホテルなどを利用するほうが良さそうです。
意外と課題も多いオンライン研修ですが、参加者の制限が外れたり、交通費や移動時間を短縮できたりと便利な点が多いのも事実です。システムも日進月歩で改善が進んでいますので、導入しないという選択はなさそうです。
集合研修の実情
では次に、集合研修はどのような動きになっているのか、弊社お客様の声をもとに記載していきます。
① 人事担当者の本音
オンライン化が進めば進むほど、リアルの重要性が認識されるようになってきているのが現状です。
特に人財育成を担っている人事担当者様の多くは「集合研修を開催したい」と考えているようです。
弊社のお問合せ状況を見ても、何とかして開催したいということで一旦ご検討を頂くも、最終的に会社上層部の一声で延期が決まったり、直前で感染者増加などのニュースが入り世間的にNGとなることも多くありました。人事担当者様はなんとか開催しようと、リスクヘッジや他社事例を持ち出すなどの社内調整に多くのパワーを割いていますが、なかなかハードルを越えられないというのが本音のようです。
② 集合研修は無くなるのか?
今年急遽開催されたオンライン研修の振り返りが徐々に進んできています。
効果があったこと、効果が薄かったこと、それぞれあるようですがお客様から聞くところによると、講義や技術習得などのインプット型の研修はオンラインの方が効果が高く、ワークショップやディスカッションなどのアウトプット型の研修は効果が薄いということでした。
やはりその場、その空間を共有することで感じられる熱量や雰囲気などはオンラインでは伝わらないため、リアルでの集合研修が無くなるという可能性は極めて少なそうです。
③ 集合研修の開催傾向
最近の集合研修の開催傾向ですが、研修の内容自体に特色があるというよりもリスクを最大限に対策して、覚悟を決めて実施するというケースが増えています。
例えば、少人数で多数回開催をする。全員フェイスガード着用や研修参加前日に全員PCR検査を受けさせるといった企業もありました。
早いうちにリスタートを切ることでアフターコロナにスタートダッシュができるという考えの企業も出てきており、今後集合研修は徐々に回復してきそうです。
④ リモートワークの弊害
リモートワークが増えたことで、社員のコミュニケーションロスが増大しそれが業務効率を下げているという話も出ていました。とはいえ、満員の通勤電車で毎日会社に通うという世界には戻る可能性も低く、そうなると研修や会議といったコミュニケーションの場が逆に増えることも考えられます。
現実、リモートワークにしてから全社員ミーテイングの回数を増やしたという企業も多くあります。
従来は、アセスメントや意識改革の側面が強く、どちらかというとネガティブであった集合研修に対する位置づけが少し変わってくることになるのかもしれません。
懇親会の実情
ニュースや情報番組でも報道されていますが、リゾートホテルでのバイキングやビュッフェが復活し始めてきています。とはいえ、社用の研修での懇親会となるとまだまだビュッフェに抵抗感があるのも事実です。
ホテルやケータリング会社では個別包装での食事提供など工夫をしていますが、立食形式での懇親会を開催するにはもう少し様子を見る必要がありそうです。
現状では距離をとった着席スタイルで、お膳形式での懇親会やルームサービスを使って各部屋で行うリモート懇親会といったことも耳にします。
まとめ
コロナ禍で一気に研修のオンライン化が進みましたが、逆に集合研修の意義や価値が高まってきています。
思い起こせばコロナ以前からEラーニングといった研修方法は徐々に増加傾向にあった中で、オンラインに適したものや適さないものがもともと分類されていました。
急速にオンライン化が進んだものの、人財育成を目的とする研修の定義が大きく変わることはなく、オンライン化できるものはする。それ以外は集合研修を開催する。ということに落ち着きそうです。
だとすると、ワクチンや治療薬の開発状況次第では、現在中断している集合研修の開催需要が一気に高まるということになっていきそうです。
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